conf t

インフラエンジニアのメモ

【読了】東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない【レビュー】☆4

【概要】

本書はプロ格闘ゲーマー「ときど」がゲームとこれまでの人生について書いた本です。
彼がどんな人生を歩んできたか、なぜゲームにそこまで熱中できるのか、なぜ勝てるのかなどが書かれています。
ゲームそのものというより彼の人生や考え方について書かれているので、ゲームを知らなくても楽しめる本です。

【感想】

論理は結局、情熱にはかなわない

情熱をもって困難に向かう中で、その手段として論理が役に立つ。
情熱もなしに論理だけあっても立ち向かえない。というのが本書を通じての著者のメッセージです。
彼は「成果を出せる人間と、そうでない人間の違いは何か。答えは情熱である」
と断言しており、さすがトップに上り詰める人間は違うなと思いました。

そして本書を読んで気づいたのですが、情熱は人を成功させるだけではなく、人生を豊かにします
ときどはゲームを通じ様々な人間と出会い、海外の文化を知り、東大に合格し、 英語で外国人とコミュニケーションをしたり、自分の世界をどんどん広げています。
彼自身も、「気づかないうちにゲームは僕にいろんなものをくれた。ゲームへの感謝の気持ちが芽生えた」と書いています。
ゲームへの感謝の気持ち、と聞くと普通の人はおかしいと思うかもしれませんが、
これらは彼がゲームに対して情熱をもち真剣に取り組み、前に進んでいったからではないでしょうか。

人生の岐路に立った大学時代の生々しい話

大学時代の話が特に面白かったです。
人生の岐路に立ち公務員かプロゲーマーかで悩む姿が生々しい。
プロゲーマーといえる人間が1人しかいなかったその当時に、彼は悩みつつもプロゲーマーの道を選びました。
先行きもわからないプロゲーマーの道を彼が選べたのは、情熱の快感を知っていたからでした。

ライバルや仲間の存在で熱中できる

私も子供の頃ゲームは好きでしたので、ゲームへ熱中することは理解できます。
しかし、トレーニングモードで丸一日練習したり、毎日何時間も同じゲームをやり続ける 彼の熱中ぶりは異常とすら思えました。
そこまでして熱中できていたのは同世代にいたライバルや仲間の存在が大きかったようです。
ライバルが居れば、ライバルを目標にできます。仲間がいれば一緒に切磋琢磨することが出来ます。

大学時代のお話で、ときどは研究に熱中し大きな成果を上げています。
ゲーム一筋の彼がこれまで縁のなかった研究に熱中できたのは、研究に熱いSさんのおかげでした。
そしてそれと反対の出来事を大学院時代に体験し、彼は理解します。
情熱は人に燃え移るのだ、と。
自分が興味がないことでも「熱い」人が近くにいると、一緒にやるのがとても楽しいのです。
私も同じような経験があるため、この言葉は胸に刺さりました。

人との繋がりの大切さに改めて気づかされる本でした。