前回(マルチエリアOSPF エリア分断(2) - conf t)の続き。
前回構成したネットワークを起動する。
とりあえずshow ip ospf neighborでDR, BDRを確認。
あれ、なんかおかしいぞ。
R3の結果だと、R1がDR
R1の結果だと、R2がDR
R2の結果だと、R6がDR
なぜこんなにDRが多いの?エリアごと選出だから
最大でも2つまでしかできないのでは?
・・・私が間違っておりました。
DRは、セグメントごとに1つ選出されます。
つまり、今回の構成ですと、6つのセグメントに分かれております
から、6つのDRとBDRが選出されます。
前々回の最後でも同じ勘違いを書いておりました。
今回は同セグメントにルータが2台しかありませんので
必然的にDRとBDRだけになり、DROTHERは存在しません。
さて、ここからやっと本題であるマルチエリアOSPFのエリア分断に入ります。
R1のfa 0/0インタフェースのhello間隔を15に設定します。
デフォルトではhello間隔は10,Dead間隔は40です。
対向とのhello間隔が異なると、隣接関係を作れなくなりますので,OSPFでのルーティング情報交換もできなくなります。
fa0/0とR2との状態が、fullからdownに変わったとのメッセージが表示されました。
その後、show ip ospf neighborを実行すると、
確かにfa0/0とR2の隣接関係が消えたことがわかります。
次に、show ip routeでルーティングテーブルを確認します。
ごらんのとおり、R4 - R2 間のセグメントである172.16.7.0がルーティングテーブルから消えました。(上がR3,下がR1でのshow ip route実行結果)
以上から、同じエリアであるはずのR3-R1間と
R4 - R2間の通信が行えなくなっていることがわかります。
実際にR4からR3へpingを試しましたが、失敗しました。
R1-R2間は図で見て左側の線(エリア0)と
右側の線(エリア1)があり、今回は左側の線が使えなく
なったわけです。
右側の線は生きていますが、異なるエリアに所属しておりますので、エリア0間での通信では使うわけにはいかない、ということでしょう。
そこで登場するのがvirtual-linkです。
まず、R2にvirtual-linkの設定を行います。
これだけではまだつながりません。
トンネル出口のR1側での設定が必要です。
R1にR2へのvirtual-linkを設定しました。
設定する前は、virtual-linkが必要ですというメッセージが流れてました。
設定後、show ip ospf neighborで確認。
virtual-linkでつながる場合、dead間隔が-になってます。
virtual-linkではhelloを抑制。と書いてあったので、
おそらくそのためだと思われます。
show ip ospf virtual-linkで状態を確認。
stateがpoint-to-pointになっています。
R4からR3へping。成功しました。
tracerouteで経路を確認。R2のfa0/1 - R1のfa 0/1を通っているのがわかります。
無事virtual-link成功しました。ということでこのシリーズは終了です。
virtual-linkですが、一般的にエリアの統廃合移行時やトラブル時に
暫定的に使われるそうです。
ネットワークが複雑になり、トラブル発生時のトラブルシューティングが
困難になるからだそうです。