conf t

インフラエンジニアのメモ

マルチエリアOSPF エリア分断(3)

前回(マルチエリアOSPF エリア分断(2) - conf t)の続き。

 

 

monaski.hatenablog.com

前回構成したネットワークを起動する。

とりあえずshow ip ospf neighborでDR, BDRを確認。

あれ、なんかおかしいぞ。

 

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R3の結果だと、R1がDR

R1の結果だと、R2がDR

R2の結果だと、R6がDR

 

なぜこんなにDRが多いの?エリアごと選出だから

最大でも2つまでしかできないのでは?

 

・・・私が間違っておりました。

DRは、セグメントごとに1つ選出されます。

つまり、今回の構成ですと、6つのセグメントに分かれております

から、6つのDRとBDRが選出されます。

前々回の最後でも同じ勘違いを書いておりました。

今回は同セグメントにルータが2台しかありませんので

必然的にDRとBDRだけになり、DROTHERは存在しません。

OSPF - DR/BDR

  

さて、ここからやっと本題であるマルチエリアOSPFのエリア分断に入ります。

 

R1のfa 0/0インタフェースのhello間隔を15に設定します。

デフォルトではhello間隔は10,Dead間隔は40です。

対向とのhello間隔が異なると、隣接関係を作れなくなりますので,OSPFでのルーティング情報交換もできなくなります。

 

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fa0/0とR2との状態が、fullからdownに変わったとのメッセージが表示されました。

その後、show ip ospf neighborを実行すると、

確かにfa0/0とR2の隣接関係が消えたことがわかります。

 

次に、show ip routeでルーティングテーブルを確認します。

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 ごらんのとおり、R4 - R2 間のセグメントである172.16.7.0がルーティングテーブルから消えました。(上がR3,下がR1でのshow ip route実行結果)

 

 以上から、同じエリアであるはずのR3-R1間と

R4 - R2間の通信が行えなくなっていることがわかります。

実際にR4からR3へpingを試しましたが、失敗しました。

 

 R1-R2間は図で見て左側の線(エリア0)と

右側の線(エリア1)があり、今回は左側の線が使えなく

なったわけです。

 

右側の線は生きていますが、異なるエリアに所属しておりますので、エリア0間での通信では使うわけにはいかない、ということでしょう。

 

そこで登場するのがvirtual-linkです。

 

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 まず、R2にvirtual-linkの設定を行います。

これだけではまだつながりません。

トンネル出口のR1側での設定が必要です。

 

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R1にR2へのvirtual-linkを設定しました。

設定する前は、virtual-linkが必要ですというメッセージが流れてました。

設定後、show ip ospf neighborで確認。

virtual-linkでつながる場合、dead間隔が-になってます。

virtual-linkではhelloを抑制。と書いてあったので、

おそらくそのためだと思われます。

show ip ospf virtual-linkで状態を確認。

stateがpoint-to-pointになっています。

 

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R4からR3へping。成功しました。

tracerouteで経路を確認。R2のfa0/1 - R1のfa 0/1を通っているのがわかります。

 

 

無事virtual-link成功しました。ということでこのシリーズは終了です。

 

virtual-linkですが、一般的にエリアの統廃合移行時やトラブル時に

暫定的に使われるそうです。

ネットワークが複雑になり、トラブル発生時のトラブルシューティング

困難になるからだそうです。